みんなで創る度会県!度会県民参加型プロジェクト
大台町度会県おんらいん♨さろん
これは未来です。里山で起きている!たのしいこと
田舎暮らしって憧れるけどうまくいくのかな…
そんな心配も、人と人との関係づくりを案内してくれる場所があって、空き家改修を手伝ってくれるプロ集団がいて、起業したいからとお店を借りれば大家さんがお願いごとを聞いてくれて、大自然をガイドしてくれる”仙人”までいる「大台町」なら問題なし!?
オンラインサロン最終回となる第8回の模様を、次に始まる新プロジェクトの紹介も交えてダイジェストで紹介します。
コロナ禍でも度会県とつながれる新しい関係づくりのためスタートした「度会県 × OTONAMIE おんらいん♨さろん」。
県内でウェブマガジンを運営している「OTONAMIE(オトナミエ)」とともに度会県エリアで活躍するキーパーソンを毎回ゲストに迎えて開催しています。
早いもので今回の第8回が最終回となります。
自然豊かな大台町(おおだいちょう)で観光案内所を運営している西口さんをゲストに迎え、大台町に移住したりお店を開いたりした方々のエピソードを伺いました。
~目次~
1.ゲストとファシリテーターのトークライブ
2.参加者とゲストのトークセッション
3.オンラインサロンの結び、そして新たな挑戦へ
1.ゲストとファシリテーターのトークライブ
(西口さん)
大台町の観光協会の職員として働く西口 茉実(まみ)です。よろしくお願いします。
15年くらい前からリポーターやイベントの司会者として働いていたのですが、大台町の行政番組のアナウンサーを務めたのがきっかけで大台町に魅了されて、5年前に地域おこし協力隊員(※)として移住しました。
協力隊のミッションとして情報発信の仕事を続けて今に至ります。
※都市地域から過疎地域等に移住して、地域協力活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html
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本日のゲストの西口さん
(村山さん)
今日のファシリテーターを務めるOTONAMIE代表の村山です。
西口さんの活動や大台町のことについていろいろお聞きしていきます。
西口さんはもともと山ガールだったんですよね。
(西口さん)
そうですね、山登りが好きで、移住する前から大台町の山には登りに来ていました。
(村山さん)
移住して、価値観や暮らし方で変わったことはありますか。
(西口さん)
もともとは大台町の北にある松阪市、その中でも海の方に住んでいました。
海に住む人は山に憧れて、山に住む人は海に憧れるっていう、あるあるな話だと思うんですけど、山の景色に毎日すごく癒されています。
小さい頃に見慣れていたのは海だったので、山って毎日こんなに色が変わっていくんだってことを発見して感動しています。
(村山さん)
今日のサロンは関東からの参加者もいらっしゃるので、ここで三重県と大台町の位置を説明したいと思います。
まず三重県は、この赤いところです。
(村山さん)
そして大台町はこの赤いところ、三重県の中央です。
奈良県との県境に位置しています。
(西口さん)
町全体が ユネスコエコパーク に指定されているほか、西の方は 吉野熊野国立公園 の区域でもあります。
中でも一番有名なのが大杉谷(おおすぎたに)という渓谷です。
奈良県に向かって大台ケ原(おおだいがはら)に抜けていく登山道は、岩肌を登らなければ進めないところも多く、登山中級者以上のレベルが求められる本格的な渓谷です。
(村山さん)
OTONAMIEでも大杉谷のこと、そして大杉谷の「仙人」と呼ばれている方を取材したことがあります。
(リンクは こちら )
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大杉谷の滝の前でポーズをとる「仙人」(OTONAMIEウェブサイトより)
(西口さん)
この「仙人」と呼ばれる方は、以前は普通にサラリーマンをしていたんですが、大杉谷のことが大好きで、記事にも出てくる「大杉谷山荘」という山小屋を運営するようになったそうです。
もともとは中部電力の社員がダムの工事のために滞在する宿舎だったんですが、工事が終わって売りに出され、それを仙人が買い取って山小屋に改修して運営していました。
でも台風で被害を受けちゃって。
直そうとしても山の中なので直すのに多くの経費がかかるため、今は閉鎖されています。
※山荘は閉鎖されていますが、仙人は今でも大杉谷のガイドとして活躍されています。
詳しくはこちらの「仙人プログラム」から
https://web-odai.info/information/information-5880.html
(村山さん)
それでは、西口さんが運営している奥伊勢テラスのことを詳しくお聞きしたいと思います。
奥伊勢テラスを、単なる観光案内所ではなく、関係人口(※)を案内する場所にしたいと考えている、とお聞きしたのですが。
※特定の地域に継続的に多様な形で関わる人のこと。よく「観光以上移住未満」と例えられたりします。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/about/kankei/index.html
(西口さん)
観光案内所としては私が大台町に来る前から活動していて、お客さんもすでに定着していました。
でもそれだけじゃなくて、観光案内にプラスして何かができるところにしたいと考えていて。
今まで移住促進のための情報発信をしていたから、自分の経験してきたことを生かして観光客の方にも地域のことをもっと知ってほしいと思っていたところ、ちょうど、移住したいとか都会からUターンしたいという方と奥伊勢テラスでお話しする機会が増えてきたんですね。
それで、移住を考えている方と大台町をつなぐお手伝いをする「関係案内所」という名前で運営してみたいと思うようになったんです。
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観光案内 兼 関係案内所となった場合の奥伊勢テラスの看板(イメージ)
(村山さん)
「度会県」は、三重県南部地域に関わってくれる関係人口を増やして地域を活性化させることを目的にバーチャル上で復活しました。
この奥伊勢テラスは、関係人口が実際に訪れることができる場所、気軽に関係づくりができるような場所になっていくのだと思います。
前回 のゲストの西岡さんも、南伊勢町の移住コーディネーターなんですが、移住の相談となると込み入った話もするので、役所の中よりもフランクに話ができる場所があると良い、ということでコワーキングスペース「むすび目」を作ったそうです。
大台町では新型コロナの影響で移住相談が増えていますか?
(西口さん)
コロナの前から移住相談は増えていましたが、でもやっぱりコロナで仕事が減ったので移住を検討し始めたという方もいらっしゃいますね。
あと、三重県の北の方に住んでいる方々も、今までは北の名古屋に遊びに行っていたのが、コロナ後は三重県の南の方に遊びに来てもらえるようになり、奥伊勢テラスも来場者数が2倍になりました。
これを機に、自然に触れることの魅力が伝わっていくといいと思います。
(村山さん)
移住を検討する人にとっては良い空き家があるかどうかが重要なポイントになりますが、大台町で空き家を活用するときに味方になってもらえる「AWAプロジェクト」のことをお聞きします。
(西口さん)
地元の有志のデザイナーやクリエイターが集まってできたプロジェクトで、町内の空き家や空き店舗を使いたいときはこの方たちがデザインや改修を手伝ってくれるということです。
だいたいの空き家って改修が必要で、何もしなくてもすぐに住める空き家なんてほぼ無いので、本当に力強いです。
※AWAプロジェクトのウェブサイト https://awapj.com/
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AWAプロジェクトがリノベーションした賃貸オフィス(上記ウェブサイトより)
(村山さん)
江馬(えま)銀座についてもお聞きします。
ここでは、昔ながらの商店街が、お店の看板は残したまま店内とか外装をリノベーションして、おしゃれな雑貨屋さんや飲食店などに代わってきているそうですね。
(西口さん)
昔は映画館もあるほど栄えていた商店街でしたが、長いこと、ほとんどのお店が閉まっていたんです。
それがここ数年で復活してきて、次々とお店が入ってくるようになりました。
まだ空き店舗は残っているかとの問い合わせもいただくんですが、今のところすべて埋まっています。
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昔ながらの看板を残してリノベーションした江馬銀座
(村山さん)
どういうきっかけでリノベーションが始まったんですか。
(西口さん)
グリーンデイル というお店が最初にここを発見したんです。
大台町がやっている 空き店舗バンク を見て、自分で改装してオープンしたんだとか。
その後に入ってきたお店の方たちも、自分でだいたい全部改装しています。
(村山さん)
先週、江馬銀座に行ってきたんですが、1店舗しか開いてなかったんですよね。
みなさん日曜日とか曜日を限定して営業してるんですか?
(西口さん)
そうですね、若い女性の方が多くて、日程もフルで働くのが難しいという方も多いので、みんなで相談して、まずは木曜日と日曜日だけ開けてみようというやり方をしています。
(村山さん)
前回紹介した南伊勢の西岡さんの焼き芋屋でも曜日を限定して開業していましたが、そういった期間限定でお店を開けるのがこれからのやり方になっていくのかなと思いました。
(西口さん)
なんでそれが成り立つかというと、田舎で立地が悪いから家賃がめちゃくちゃ安いらしいんですよ。
それに大家さんが良い人でいろいろお願い事も聞いてくれるとか。
田舎あるあるだと思います。
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OTONAMIE代表の村山さん
(村山さん)
今までオンラインサロンを8回やってきましたが、一つの職業をずっとやる方は少ないという印象です。
(西口さん)
いろんな仕事を持つのは新しい働き方ですし、田舎ではそうじゃないと食べていけないんですよ。
期間限定の仕事が多いので。
アウトドアが得意な方がいたら、夏は水上スポーツのインストラクターをして、秋は違うところに行って、冬はまた別の…みたいな働き方だと飽きないと思いますよ。
(村山さん)
過去のゲストでも漁師をやりながらゲストハウスをしている方がいましたが、地域の良さを生かしながら好きなことをやっていて、人生やったもの勝ちだなと思いました。
これまでオンラインサロンで関係人口について探っていたら、生き方のことまで行きついたという感じです。
2.参加者とゲストのトークセッション
Zoomのチャット機能を使って参加者の方から質問をいただきました。
OTONAMIE副代表の福田さんが紹介してくれました。
(福田さん)
大台町を観光するため移動しようと思ったら車が必要ですか?
電車で行ったらどうなるのでしょうか?
(西口さん)
現時点では車で来ていただくのが一番いいです。
ただ、まだいつになるか分かりませんが、これからeバイクを導入しようとしていて、実現すればeバイクを使って移動することも可能になると思います。
(村山さん)
確かに地方は公共交通機関が少ないから、車に乗らない人にとっては大変かもしれません。
(西口さん)
二次交通はいろいろ議論しているところです。
これから低炭素社会と言われている中で自転車はすごく注目されているんですが、大台町って雨が多いんですよね。
雨の日と、あと冬の時期が課題です。
☆
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OTONAMIE副代表の福田さん
(福田さん)
ボルダリングのファンの方から「大台町はボルダリングの聖地でもあります」というメッセージがありました。
(西口さん)
ボルダリングで来る皆さんって、本当にマナーが素晴らしいんです。
年に1回、町民が集まって掃除をするんですが、その日に合わせてボルダリングのメンバーが家族も連れて100名以上で手伝いに来てくれて、地域一帯で感激しています。
これからもどんどん遊びに来て!って思っているんですが、いまはコロナで我慢してもらっていますね。
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(福田さん)
大台町で自然を満喫したいんですが、インドア派なのでボルダリングのようにあまり本格的なアクティビティはできません。
初心者でも楽しめるものってありますか?
(西口さん)
大台町でのSUP(※)は初心者にすごくおすすめです。
ダムとダムの間に挟まれたダム湖なので本当に波がおだやかなんですよ。
だから揺れないし、ほとんどボードから落ちません。
高齢者の方でも楽しんでいらっしゃいます。
※SUP(サップ)= Stand Up Puddleboardの略称。
サーフボードの上に立ってパドルを漕ぎながら水面を進むアクティビティ。
大台町では「Verde 大台ツーリズム」が宮川で楽しめるSUP体験を提供しています。
3.オンラインサロンの結び、そして新たな挑戦へ
(村山さん)
さて、これまで全8回のオンラインサロンを開催してきました。
コロナ禍のためオンラインでやってきたのですが、深いところまでじっくりお話が聞けたし、全体を通じて度会県の各地で起こっている楽しいことの共通点も見えてきたし、オンラインの良さが生かせたんじゃないかなと思います。
「度会県×OTONAMIおんらいん♨さろん」としてはこれで終了なんですが、これから奥伊勢テラスと度会県がタッグを組んで、なにかが始まると聞きました。
(西口さん)
そうなんです。
度会県とコラボして、度会県民と大台町との関係づくりを案内するプロジェクトを始めます!
先ほども触れましたが、奥伊勢テラスを、関係人口と大台町とをつなぐお手伝いをする「関係案内所」にしたいと思っていて、そのためのさまざまな企画を予定しています。
みなさん、ぜひ楽しみにしていてください!
西口さん、どうもありがとうございました。
奥伊勢テラスと度会県がコラボする新プロジェクトについては、こちらの 西口さんへのインタビュー記事 で詳しくご紹介しています。
コラムの連載やDIYイベントなど、気軽に大台町とつながれる機会を提供していくので、楽しみにしていてください。
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これまで8回にわたって開催してきたオンラインサロン、いかがだったでしょうか?
毎回ゲストの方々からわくわくするようなお話を聞けて、参加者の皆様からも質問やアイデアをどんどんいただくことでさらに盛り上がり、私たち運営側にとっても楽しくて刺激的なサロンでした。
人口減少など地方を取り巻く状況は依然として厳しく、新型コロナウイルスとの戦いも長引いています。
それでも、豊かな地域の資源とそれを生かそうとする住民、そして外から応援してくれる関係人口がいれば、度会県に限らず地方はこれからも元気にやっていけるのではないかと感じました。
オンラインサロンとしては、これで最終回になりますが、奥伊勢テラスをはじめ地域でがんばる様々なキーパーソンや団体とコラボし、さらに取組を発展させて、度会県民の皆様が地域とつながれる機会を創っていきます。
この度会県を舞台に、一緒に楽しいこと、面白いことをやっていきましょう!