みんなで創る度会県!度会県民参加型プロジェクト

南伊勢町度会県おんらいん♨さろん

みらいの漁村フィールドワーク(後編)

人口が減少し、空き家が増えている度会県の漁村。
そんな漁村を舞台にしたワークショップのはずが、なぜか「プロジェクションマッピング」「トリエンナーレ」「AR」に「QRコード」などのカタカナやアルファベットが飛び交い…?
少しだけ、みらいの漁村の姿が見えてくる気がしたワークショップの模様をダイジェストで紹介します。

コロナ禍でも度会県とつながれる新しい関係づくりのためスタートした「度会県 × OTONAMIE おんらいん♨さろん」。
県内でウェブマガジンを運営している「OTONAMIE(オトナミエ)」とともに度会県エリアで活躍するキーパーソンを毎回ゲストに迎えて開催しています。

第7回はワークショップの後半です。
第6回の 前半 では、南伊勢町と熊野市で活躍する2人の漁師をゲストに迎え、度会県の漁村で起きている新たな動きについてお話ししていただきました。
そして後半の今回は、引き続き南伊勢町を舞台に、空き家を活用して漁村を盛り上げるアイデアをみんなであれこれ考えてみました。

~目次~
1.ゲストの紹介
2.ワークショップ①「真珠加工小屋の活用」
3.ワークショップ②「家機能の町化」
4.次回予告

1.ゲストの紹介

(村山さん)
本日のファシリテーターを務めるOTONAMIE代表の村山です。
今日は南伊勢町からゲストを二人お招きしています。
一人目は、前回に続いてご出演の橋本純さん。
阿曽浦(あそうら)という漁村で鯛の養殖等を営む友栄水産の3代目です。

(橋本さん)
よろしくお願いします。

  • 左から ゲストの橋本さん、OTONAMIE代表の村山さん

(村山さん)
橋本さんが阿曽浦で取り組んでいることは、前回のサロンでも詳しくお伺いしました。
鯛の養殖をしながらゲストハウスを開いたり、漁師体験を受け入れたりして、コロナ禍の前は国内外からたくさんのお客さんが来ていました。

もう一人のゲストは、南伊勢町で移住コーディネーターをされている西岡奈保子さんです。

(西岡さん)
よろしくお願いします。

  • 西岡さん

(村山さん)
西岡さんが南伊勢町に来ることになった経緯を教えてもらえますか?

(西岡さん)
社会人大学院生の時に空き家の研究をしていて、その調査のために訪れたのがきっかけで南伊勢町に住むことになりました。
今は、他のメンバーと一緒にコワーキングスペース「むすび目」を運営しながら移住相談や空き家の相談を受けています。

(村山さん)
去年OTONAMIEで南伊勢町を取材して 記事 を書いたんですが、途中でコワーキングスペースのことも少し出てきます。
このコワーキングスペースができてから変わってきたことってありますか。

  • OTONAMIEの記事より

(西岡さん)
隣の伊勢市や志摩市からも利用者に来ていただいて、町内だけじゃないつながりが生まれてきている実感があります。

(村山さん)
そして、西岡さんがいま取り組んでいるのが「 うみべのいえ 」というプロジェクトですね。
このプロジェクトについて簡単に教えてください。

(西岡さん)
町の人や外から来た人が、南伊勢をゆっくり楽しめる場所が少ないと思ったのが最初のきっかけです。
じゃあ、海に囲まれたこのエリア全体を使って何ができるかって考えたときに、家のように町を楽しめないかという発想が生まれました。
家って、お風呂とか睡眠とか食事とか、生活のために必要な最小限の機能がつまっている場所だと思うんですけど、そういう機能を町の中に再分配したら、家のように町を使えるんじゃないかと考えて。
その拠点として空き家を借りて「うみべのいえ」と名付けて最近プロジェクトを始めたところです。

(村山さん)
さらに焼き芋屋さんも始めたそうですが。

(西岡さん)
焼き芋を売るのはお金儲けが目的じゃなくて、町の人にプロジェクトを知ってもらうためですね。
共感してもらわないとプロジェクトが広がらないなと思って。
町の人に来てもらうために、みんなが好きな食べ物で、すぐに始められるっていう理由から焼き芋屋さんになりました。
1日30~40組が買ってくれて、けっこう儲かっているんですが、利益はこれから空き家の改修費用に全て吸い取られる予定です(笑)

  • 焼き芋屋さんの看板

(村山さん)
クラウドファンディングみたいですね。

(西岡さん)
その方がスピードが早いと思ったんですね。
クラウドファンディングみたいに理念に共感してもらってお金を集めるより、300円で焼き芋を買ってもらってそのお金を改修費用にする方が現実的かなって。
とはいえ美味しくなければ人も集まらないので、美味しい焼き芋を作るための研究は徹底しています。

(村山さん)
「うみべのいえ」に入りたいというお店はすでにありますか?

(西岡さん)
伊勢市のあんパン屋さんから「週に1回借りれないか」という相談がきています。
まずは週1回営業してもらうんですが、お客さんが付いてきたらエリア内にお店を出してほしいなと思っています。

2.ワークショップ①「真珠加工小屋の活用」

(村山さん)
それではワークショップを始めたいと思います。
まず橋本さんのテーマ、「真珠加工小屋の活用」から行きましょう。
阿曽浦って湾になっていて、湾沿いに、船でしか行けない真珠の加工小屋が点々とあります。

  • 点々と並ぶ真珠加工小屋(OTONAMIEの記事より)

(村山さん)
船じゃないと行けないような場所があるっていうのが、漁村では当たり前の光景なんでしょうけれど、普通の町で育った私にとってはすごくいいなぁと思えるんですね。

この小屋の中から、今は使っていないところを紹介するので、ここをどう活用したらいいかについてアイデアを出し合いたいと思います。

(橋本さん)
法律上、厳密なことをいうと「真珠加工のために海上の土地を使っている」という特区扱いの場所なので、本当はほかの用途には使えないんですね。
でも、過疎化が進んでいつかは消滅してしまうから、そのときにはこの空間を有効活用できる時代が来るだろうということで、いま面白いことを想像しておくだけでも意味があると思います。

(村山さん)
それでは、想像をしやすいように小屋の間取りを書いてきました。

(村山さん)
いかだが浮かんでいて、そこに納屋が付いていて、桟橋を上がると手前にベランダのような空間があり、その奥に真珠の取り出しなどをする作業スペースと休憩スペースがあります。
この図では桟橋のところまでしか水色に塗っていませんが、満潮時には休憩スペースまでが海になります。

  • 上から いかだの上を歩いて→桟橋を登って→小屋に入って外を見た風景

チャットで参加者の皆さんから小屋を活用するアイデアを集め、提案された方にはOTONAMIE副代表の福田さんから詳しい内容をお聞きしました。

・ドローンで撮影をしたいです。

(西岡さん)
撮影スポットとして使ってもらうのはいいですね。
船でしか行けない場所で、特別感があるから、そこでウェディングフォトができたら素敵じゃないかって話を以前にしたことがあります。

(橋本さん)
記念に真珠をもらったりとか?

(西岡さん)
そうそう!
そこで指輪の交換もして、その後も記念日には毎年必ずそこに行く、なんてなったら素敵だと思います。

・船でしか行けないショップはどうですか?

(福田さん)
どんなお店がいいと思いますか?

・アンティークショップなどをイメージしています。
何回も行けない場所なので、そこで出会った商品は一期一会だから買っちゃおうという意欲が湧くかなと。

  • OTONAMIE副代表の福田さん

(橋本さん)
私からも提案させてください。
ここの地形は湾になっているので、音が反響するんです。
朝、船が出ていくエンジン音とかいい感じに反響して。
だから湾内で野外ライブして、いかだの上からそれを聞くなんてできたら面白いですね。

・それなら映画の上映もどうですか?

(村山さん)
アートとの相性もいいかもしれませんね

(橋本さん)
アートと結びつけるなら、真珠の加工小屋もボロボロなのでこの機会に改装し、カラフルに塗って「映え」も狙いたいかな。

・さっきのウェディングフォトからの連想ですが、小屋に上陸しなくても、小屋を背景として活用できればいいですよね。船の上のウェディングで、背景にカラフルな小屋がライトアップされるとか。

・海面にプロジェクションマッピング(建物の壁などの立体物に映像を映すパフォーマンス)はできませんか?

(福田さん)
今日の参加者に映像関係の仕事をしている方がいらっしゃるみたいなので、技術的に可能かどうかお聞きしたいと思います。

・↑はい、説明させてもらいます。
技術的には可能ですが、海面が波で揺れるのを解析するのに時間差が生じるので、しっかりとした映像にはならないと思います。

(橋本さん)
プロジェクションマッピングとは言わなくても、海の中から光を照らすだけでも綺麗ですね。

・↑これも説明させてもらいますね。
海中を照らすなら、それを水中カメラで撮った映像を、プロジェクションマッピングで周囲の山に映し出すことは可能です。

(西岡さん)
海が山に囲まれた土地だからできることですね。
そこまで大規模にできたら、愛知や瀬戸内でやっているトリエンナーレ(芸術祭)みたいですね。
よそのトリエンナーレでは有名作家が参加していますが、南伊勢では、漁師さんなど誰でもアーティストになれるっていうテーマにして差別化すると面白そうです。

3.ワークショップ②「家機能の町化」

(村山さん)
続いて2つ目の舞台、「うみべのいえ」に行きたいと思います。
先ほど西岡さんから、お風呂や食事など家の機能を町の中に再分配するという発想のお話がありました。
西岡さんの表現を借りると「家機能の町化」だそうなんですが、もう少し詳しくお聞きしますね。
例えば書斎を町に落とし込むと、どんな場所になりますか?

(西岡さん)
本屋になると思っています。
ダイニングは飲食店、仕事場はコワーキングスペース、寝室はゲストハウスという風に、生活に必要な最小限のことがつまっている家の機能を町の中にばらばらにすることができたら、町が大きい家になるじゃんっていうコンセプトです。

「どれだけ所有するか」より「どれだけ使える場所が多いか」の方が豊かじゃないかっていう発想がもともとあって、そこに住民同士「おはよう」「おやすみ」と声を掛け合う文化がある町だから実現できるんじゃないかと気付いたのがスタートです。

私の場合は焼き芋屋さんを始めましたけどコーヒーを淹れるのが好きだからモーニングをやってみたいとか、アクセサリーを作って売ってみたいとか、いろんな発想があると思います。

  • 左から うみべのいえの中の様子、焼き芋屋さんのキッチンカー

チャットで参加者の皆さんからアイデアを集め、提案された方にはOTONAMIEの福田さんから詳しい内容をお聞きしましました。

・先ほどプロジェクションマッピングの話がありましたが、同じように映像技術の活用で、ARで何かできないでしょうか。
今はみんなスマホを持っているから、スマホでARを見れますよね。
町内に色んな謎解きの仕掛けをして、謎を解いた人は南伊勢町の商品をもらえるとか。

(西岡さん)
最近、脱出ゲームが流行っているから、それを町全体で広くやるイメージですね。

・QRコードを仕込んでおいて、それをスマホで読み取るとカメラにAR画像が出てくるっていう仕組みなら実現できそうですね。

・無人販売所のQRコードを読み取ると商品の背景がARで出てくるとか、売っている魚の背景にある漁師さんの労力とか大変さを映像にして、買った人がその苦労を感じられると面白いと思いました

(西岡さん)
焼き芋屋でも使えそうですね。
芋が焼き上がるのを待ってもらっている間に、芋がここに辿り着くまでのストーリーを見てもらうとか。

・保健室みたいな、健康相談ができる場所はどうですか。

(村山さん)
東京の、とある高齢化が進む団地では、健康相談ができる「暮らしの保健室」という場ができたことで、高齢者の健康づくりとともに住民の交流が生まれているという事例を聞いたことがあります。
南伊勢でも同じような場ができて、高齢者が健康相談を受けているその横で若者がパンを焼いている、とかが実現したら世代間の交流が生まれそうですね。

4.次回予告

2回目のワークショップも、おかげさまでたくさんのアイデアをいただきました。
参加してくださった度会県民のみなさま、ゲストのお二人、どうもありがとうございました。

さて、これまで7回にわたって地域との交流を深めてきたオンラインサロンですが、次回が最終回となります(!)
次回は、これまでとは少し異なるフィールドからゲストをお迎えするようです。

(村山さん)
今までなぜか漁村とか港町という海のフィールドが多かったんですが、次回は山あいの町、大台町というところが舞台です。
そこの観光案内所を運営している方をゲストに招いて、
豊かな自然を生かしたさまざまな活動ですとか、移住者が古い商店街に集まり建物をリノベーションしてショップを開いている様子などを聞きたいと思います。

度会県の「山」を舞台に、果たしてどのようなお話が聞けるのでしょうか!?
最後のサロンでも、たくさんの度会県民のみなさまとお会いできるのを楽しみにしています!

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