みんなで創る度会県!度会県民参加型プロジェクト

尾鷲市・紀北町度会県おんらいん♨さろん

おもしろいアイデアで勝負!港町の突破者が見ている未来の風景

今回は、少子高齢化の”先進地域”から2人のゲストをご招待。
地域の課題に対して「大喜利のように」取り組んでいると話すゲストたち、そしてそこで働く人々の率直な意見もお聞きしたオンラインサロン第5回の模様をダイジェストで紹介します。

コロナ禍でも度会県とつながれる新しい関係づくりのためスタートした「度会県 × OTONAMIE おんらいん♨さろん」。
県内でウェブマガジンを運営している「OTONAMIE(オトナミエ)」とともに度会県エリアで活躍するキーパーソンを毎回ゲストに迎えて開催しています。

1月13日の第5回は、初のダブルゲストでの開催!
尾鷲市から伊東 将志(いとう まさし)さん、紀北町から東 城(ひがし じょう)さんにご出演いただきました。

伊東さんは、「お母ちゃんのランチバイキング」や海洋深層水を使ったお風呂などがある 夢古道おわせ の支配人。内閣府の「地域活性化伝道師」にも登録されています。
東さんは、デザイン会社 dgreen(ディーグリーン)を立ち上げ、ホームページやデザイン制作のほか、地元の魚を使ったお魚離乳食 mogcook(モグック)を展開しています。

二人が活動する尾鷲市と紀北町は、度会県の中でも南の方の「東紀州(ひがしきしゅう)」と呼ばれる地域に位置する自然豊かな港町です。海と山の資源を活かしてどのような活動をされているのか伺ってみました。

~目次~
1.ゲストとファシリテーターのトークライブ
2.参加者とゲストのトークセッション
3.ゲストからのメッセージ

1.ゲストとファシリテーターのトークライブ

ファシリテーター:OTONAMIE代表の村山さん(以下「村山さん」)
まず伊東さんからお話を伺います。
伊東さんは、尾鷲商工会議所が行う「長期実践型インターンシップ」の中心的存在として、これまで多くの若者を受け入れてきました。
この取組を始めたきっかけを教えてくれませんか?

(伊東さん)
12年くらい前に三重県の事業で大学生のインターンシップをやりませんかという話があった時に一番に手を上げました。
それが3、4年続いたんですが、県の事業としては終わることになり、もったいないと感じたんですね。
ちょうど自分が商工会議所に戻るタイミングだったので、商工会議所みたいなところがインターンのコーディネートをしたら盛り上がるんじゃないかと思い、うちで続けることになりました。

  • ゲストの伊東さん

(村山さん)
このインターンシップは、若者が離れていくという課題があるからやっているんですか?

(伊東さん)
それもあるんですが、高齢化率が高い地域なのでエネルギーになるものが欲しいなって。
若者がどうとかいうより、僕たち事業者に元気がないから、起爆剤になるようなことができればと、そのときはそういう発想でしたね。

(村山さん)
インターンシップ以外にも、旅する助っ人が来て期間限定で働くというような企画を頻繁にしてますが、よその地域から人を巻き込むコツってあるんですか。

(伊東さん)
遠距離恋愛みたいなものなんですよ。
例えば僕と村山くんが付き合ってるとするじゃないですか。

初めて僕の生まれ故郷の町に村山くんが来るってなったら、僕が案内する先は僕が大好きな場所だし、きっと村山くんがいいねって言ってくれる場所なんですよ。
村山くんとの「はにかみデートプラン」を作るわけですね。
それをずっと案内してるだけなんです。

(村山さん)
それでは、もう一人のゲストの東さんにお聞きします。
東さんがいる紀北町も人は減っていますか。

(東さん)
高齢化率も高いですけど、一番きつかったのは地元から高校が無くなったことですね。
それで高校生も外に出ちゃって、年間だいたい400人から500人くらい人口が減っています。
いま僕の住んでいるところも、あと10年したら僕の家族を除いて全員いなくなるんじゃないかという状態です。

  • ゲストの東さん(背景はサンマの丸干しだそうです)

(村山さん)
そんな町でなぜmogcookというのをやろうと思ったんですか。

(東さん)
そもそもの発想は僕じゃなくて都内に住んでる知人なんですよ。
知人に子供が生まれて、昔は地元では離乳食って魚を食べてたよねって話題から、こういうプロジェクトができないかって相談が来たんです。
ちょうどそのころ魚をブランド化して売れないかって相談をよく受けていまして。
既存商品のパッケージのデザインを変えたりとかネットで通販を始めたりとかしても効果は限られるので、何か面白い展開がないかなって考えていたタイミングだったんですね。

少子高齢化って言われている中で離乳食ってどうなのかなって思ったんですが、調べていくうちに面白いビジネスになるんじゃないかなって気づいて、伊東さんにも相談したりしたことで生まれたビジネスなんです。

(村山さん)
やってみてどんな反応でしたか?

(東さん)
最初は「それやって儲かるんですか」って言われたりして批判もありました。
あと悩んだのが、機械化されちゃっていて、水産加工会社の人も意外と手で魚がさばけないということ。
それで伊東さんに頼んで「夢古道おわせ」のランチバイキングの人たちに協力してもらうことになりました。
そんな風にいろんな人に相談して、横のつながりで協力してもらって、できないことをできるようにしたのが今につながっていますね。

(村山さん)
マーケティングとかブランディングで大切にしているものはありますか。

(東さん)
どうしたらこの商品が買ってもらえるようになるかを徹底的に考えることを大事にしています。
例えば、このサロンに参加しているうちの社員の立花くん。
彼はインターンシップがきっかけで来た人なので、外からの視点を持っているから、そういった人たちの意見も聞きながらうまくまとめて、なんでこの商品なのかっていうのを徹底的に追究していますね。

埼玉県出身でアメリカの大学に通っていた立花さん。
「大学がアメリカのど真ん中だったので海を感じたくて」紀北町に来たそうです。

(村山さん)
mogcookを売ってみて、反応を感じることはありますか。

(立花さん)
ツイッターとかインスタとかで反響を調べると、数は多くないんですけど「mogcookっておすすめだよ」とかいう声があって、広がっているんだなって感じることがありますね。

(村山さん)
お客さんとコミュニケーションしながらブラッシュアップしているんですね。

(立花さん)
赤ちゃんが食べるものを通販で買うのってすごく難しい部分があると思ってます。
だから生産現場の様子や使っている魚の良さなどを、オンラインで発信したり、商品に資料を同封したり、あらゆる方法で伝えるようにしています。

参考:mogcook ブランドコンセプトムービー
https://www.youtube.com/watch?v=S7Ai-2SD0Gk

(村山さん)
ゲストのお二人に話を戻します。
地域でこれからやっていきたいことってありますか。

(伊東さん)
少子高齢化で困っている町って日本中いたるところにあるんですが、毎年400人も500人も減っている東紀州って相当な先進地域なんですよ。
そんな先進地域に出てくる課題に対して大喜利みたいにいろんなことをして、当たることも当たらないこともあるんですが、そのすべてのチャレンジが全国の事例になる気がします。
それを続けることに対して喜びを感じるというか。

状況を引っくり返せるとは思っていないんですが、例えば震災後の東北とか、離島とかに活用できるなら、僕がやっていることに意味があると感じています。
「これがやりたい」というより、いろんなことを続けていきたいですね。

(村山さん)
大喜利みたいなんですね。
お題は「尾鷲ヒノキの活用」とか、そのときどきで変わると。

(伊東さん)
フリップを渡されてなにか書いて、スベることもあるんですが、何も書かないことはしません。

(東さん)
僕は、地域のこととか町のこととか言われると大きすぎて分からないんですよ。
だったら自分たちができることを一生懸命するしかないのかなって。
自分たちが楽しむことを徹底的に追求したいと思います。

2.参加者とゲストのトークセッション

Zoomのチャット機能を使って参加者の方から質問をいただきました。
OTONAMIE副代表の福田さんが紹介してくれました。

(福田さん)
伊東さんの左耳のところに映っている丸い木材、見たことがあるのですが、どんなものか教えてください。

(伊東さん)
これはいわゆる間伐材、樹齢10年から20年の細い木を加工したものです。
いい森を作るためには木を間引かなければいけません。
切った間伐材は、かつては商品として売れていたんですが、今は売れなくて問題になっています。
これをどう克服するかということで僕が考えたのが「100のありがとう風呂」という企画です。
日本中のお風呂屋さんがこの木材にメッセージを書いて浮かべるというアイデアだったんですが、ありがたいことに今では北海道から沖縄まで全国に500の取引先があります。

  • 伊東さんの背景が「100のありがとう風呂」に!

(福田さん)
石川県で 能登留学 をやっています。
これは、尾鷲でやっている実践型インターンシップの能登半島版です。
当時、立花くんの話を聞いて感動で涙して、これを能登でもやりたいと思って翌年から始めました。

(立花さん)
懐かしいですね。

(村山さん)
まさに伊東さんが言っていた「大喜利が全国の事例になる」ってやつですね。

 

  • OTONAMIE代表の村山さん(左)、副代表の福田さん(右)

(福田さん)
新聞で、慶應大学の学生が尾鷲で長期インターンシップをしているという記事を見ました。コロナの影響でキャンパスに通えないので、インターンで働きながらオンライン授業を受けているということだったのですが、これについて詳しく教えてもらえませんか。

(伊東さん)
いまSFC(湘南藤沢キャンパス)の1年生の学生が住み込みでインターンをしています。もう4か月目になりますね。
先ほどの大喜利の例えで言えば、コロナ禍でいろいろな変化が起きている中でウチは何をするんだっていう話で。
本当はいまは募集をしていなかったんですが、それでもインターン先を探している学生がいると知ってオンラインで話を聞いたんです。

もともとその学生は地方創生を学びたいと思っていたんですが、自宅にいてオンラインでそういう授業を受けることに違和感を持ったそうなんです。
僕はそういう反応は正常だと思ったんですが、でもこう言わせてもらいました。
「あなたの言う地方創生だとか地域活性化だとかは存在しない。言葉遊びだ。」と。
そして「僕がやっているのは、自分の信じている地域の資源でそれぞれの課題に立ち向かおうとしているだけ。それでも来たかったらおいで。」と話したところ、来てもらうことになりました。

前期だけでなく後期もオンライン授業になったので、その子はまだ一回もキャンパスに行っていないんですよ。
そんな学生が全国にきっとたくさんいる。

だから、関東の大学の授業を受けながら、尾鷲市や紀北町にいてインターンができるっていうのは社会的にすごく意義のあることだと思っています。
今後のコロナの状況次第なので、こんなことは今しかできないかもしれないけど、これに誰かが続けばいいなと思ってます。

実際に、インターンに来ている慶應大学総合政策学部の日向(ひなた)さんに話を聞いてみました。

(村山さん)
尾鷲に来てみて感じたことってありますか。

(日向さん)
私はもともと地方創生に興味があって尾鷲に来たんですけど、来てみたら、大学の授業って言葉だけで何も学んでなかったなって思いました。
来る前は授業が楽しくて、オンラインでも生き生きして受けてたんですけど、ここに来てオンラインで地方創生関係の授業を受けていたら授業が全然面白くなくなっちゃって。

(村山さん)
以前の度会県のプロジェクトで、尾鷲の九鬼(くき)に来た大学生たちを取材したんですけど、ある学生が「ここに来て人生が分からなくなっちゃったんです」と言っていました。
「ずっと勉強をしてきたけど、九鬼の人たちみたいな生き方もあるんだなと知って、このまま人生を進んでいっていいのかなって思い始めた」と。
なんで尾鷲や紀北に来るとそう感じるんですかね。価値観が違うんでしょうか。

(立花さん)
僕も外から来た人間ですが、一言でいうと「居心地が良かった」っていうことですかね。

(東さん)
立花くんはもともとウチの会社にいたわけじゃなくて、民宿や観光協会で働いていたんですよ。それで一度は紀北町を出ようとしたんだよね。

(立花さん)
ここに住み始めてから2,3年経ったころですが、当時自分がやっていたことと高校や大学の同期の仕事を比べたらパッとしていないなって思って、東京で就活をしていた時期もありました。
そのタイミングでdgreenが海外での事業もやっていこうっていう時期で、一緒にやらないかって誘っていただいたんです。
変な言い方ですけど、「この仕事なら堂々と胸を張って生きていけるかな」と思いました。

(村山さん)
役割を得やすいんですかね。

(伊東さん)
例えるならエンドロールに名前が載るんですよ。
大予算の大作映画だと僕らは名前が出ないんですが、僕らの町の映画なら主役を張れることがある、という感じです。

(福田さん)
尾鷲市の隣の熊野市に住んでいるんですが、最近よく学生から「地域活性化とは?」と聞かれます。
でも、私も「よく分からない」「みんなで汗を流しながら考えている状況かな」と答えています。

(村山さん)
では、今日の結論は「分からない言葉は使わないでおこう」ということで(笑)

3.ゲストからのメッセージ

そのほかここには書ききれないほどのやりとりで、第5回も盛り上がりました。

サロンの終了後、二人のゲストからコメントをいただきました。

(伊東さん)
リモートということもあり、たくさんの方にお越しいただいて嬉しかったです。
県内のイベントに出るのは比較的珍しいので、町のことを話すのは少し照れ臭いところもありましたが、なかなか良いものですね。

新型コロナウイルスで大変な世の中になりましたが、でも、だからこそ生まれた出会いもあります。
今はたくさんのつながりを作り、アフターコロナの世界に備えましょう。
貴重な機会をいただきありがとうございました。

(東さん)
楽しい時間をありがとうございました。
もっと話したいことがあったのですが、いろいろと話していると時間って短いですね。

良くも悪くも三重県南部は最先端。
ここで成功することができれば、日本中、いや世界中のモデルが生まれるはずです。
皆さんの知恵を結集して新しい時代を一緒に生み出していきましょう。

お二人とも、どうもありがとうございました!
また、立花さん、日向さんも、現場で働いて感じた率直な感想をお聞かせいただき、ありがとうございます。

さて、次回のオンラインサロンは、引き続き港町が舞台となります。
今回のお話にあったとおり、日本が抱える問題の最先端を行く度会県では、漁業においても、漁師などの後継者不足という共通の課題を抱えています。
次回のゲストの二人は性別も年代も住む場所も異なりますが、そうした課題を解決したいという思いは同じ。
そんなゲストたちのお話を聞きながら、一緒に度会県と日本の未来について考えてみませんか?

お申込みは コチラ から!

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