みんなで創る度会県!度会県民参加型プロジェクト
鳥羽市度会県おんらいん♨さろん
漁村をバズらせる
「スコップに『度会県プロジェクト』って書いて来たんさ。盛り上げようと思って!」
サービス精神旺盛な大阪生まれの漁師、浅尾大輔さんのおちゃめなサプライズで幕を開けた私たちのオンラインサロン。
30名近くが参加し大盛況だった第1回の内容をダイジェストでご紹介します。
コロナ禍でも度会県とつながれる新しい関係づくりのためスタートした「度会県 × OTONAMIE おんらいん♨︎さろん」。
県内でウェブマガジンを運営している「OTONAMIE(オトナミエ)」とともに度会県エリアで活躍するキーパーソンを毎回ゲストに迎えて開催していきます。
10月27日の第1回のゲストは「漁業界の風雲児」浅尾大輔さんでした。
(浅尾さんのプロフィールなどはOTONAMIEの コチラ の記事からどうぞ)
「漁村をテーマパークにしたい」と語りいつもオモロイことを考えている浅尾さんと度会県民の皆さんがオンラインで交流したことで、いったいどんなトークが生まれたのでしょうか?
当日のライブ感が少しでも伝わるよう、渾身のダイジェスト版でお届けします!
~目次~
1.ゲストとファシリテーターのトークライブ
2.参加者とゲストのトークセッション
3.サロン終了後のアンケート結果、そして…
1.ゲストとファシリテータのトークライブ
大阪生まれの浅尾大輔さんは、ホテルなどで働いたのち、奥さんの実家のある鳥羽市の浦村(うらむら)に移住。
浦村は牡蠣が有名で、浅尾さんも牡蠣の養殖漁師とのことなのですが…?
ファシリテーター:OTONAMIE代表の村山さん(以下「村山さん」)
「これOTONAMIEの牡蠣小屋の記事なんですけど。
牡蠣が食べ放題の”牡蠣小屋”ブームを作ったのは実は浅尾さんでして。
浅尾さんが始めた当時はドラム缶をぶった切ったコンロだけで屋根さえ無かったんですが、今では30軒近い牡蠣小屋がリアス海岸沿いに並んでいます。」
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OTONAMIEの記事
(村山さん)
「他にも民泊やアサリの養殖もやっていまして。
アサリの養殖では今までにない養殖方法を開発したということで農林水産省の天皇杯という名誉ある賞を最年少で獲得した方です。」
「浅尾さんを取材していると『ここは宝の山だと思った』という言葉がよく出てくるんですが、そう思ったきっかけは何ですか?」
(浅尾さん)
「漁村というのは高齢化とか漁獲高が低迷しているとか悪いイメージがあると思うんですが、それは漁村を守ろうと思って良い意味で変えてこなかったところがあるんですよ。
だからこそ何も荒らされていないんですね。やりたいことができる。」
「僕は大阪出身なんだけど、都会なのでいろんなことがやり尽くされているんですよね。
新しく音楽フェスとかやろうとしても今までいろんな人がやってきた。
でも漁村って全くされていないので、まっ白いキャンバスにいくらでも絵を描けるスペースがある。
そういうところに魅力を感じたんです。」
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ファシリテーターの村山さん
(村山さん)
「よく6次産業化って言って、農家とか漁師とか1次産業の人がお店をやったりっていうのがブームになったんですが、浅尾さんの場合はホテルで働いていたところから1次産業に入って、お店をやって、と逆ですよね。
3次産業から入っていく6次産業化の話を聞かせてください。」
(浅尾さん)
「6次産業化っていうのは1次産業の人が加工をして(2次産業)、お店で売ったりして(3次産業)、1×2×3で6次化って言われるんですが、なかなか流行るようで流行っていないんですね。
例えばイチゴ農家の人がB級品をジャムに加工してパフェを売るっていうのはいい流れなんですけど、どうしても最初の生産の方に手間を取られてしまって、慣れていない加工や流通の方がどっちつかずになっちゃう。」
「僕はホテルに勤めていた時にお客さんに給仕するサービスも調理の手伝いもしていたので、2次と3次を経験していたんですね。
だからお客さんが喜ぶサービスとか適正な金額とか知っていて、あと少し加工で手を加えると商品になることも知っている。」
「3次と2次の知識を持っている人が海に行くと、例えばイカダに着いているムール貝とかカメノテとか捨ててしまうようなものも『全部売ってしまえばいいじゃん』という考えになるんです。
でも昔からいる漁師の人に『これ売ろうよ』って言っても『なんで?』という反応をされる。」
「たぶん1次産業と2次産業と3次産業の人は考える脳みそが違うから摩擦が起きてくる。
1次の人は量をいっぱい作りたい。
2次の人は賞味期限とかコストとか歩留まりとかの計算をする。
3次の人は盛り付けを工夫したりエンターテインメント寄りの人。
自分は2次と3次の脳みそを持っていたので漁村が宝の山に見えたんですね。」
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浅尾さん
(村山さん)
「前に浅尾さんを取材したときに『ワクワクしてる奴って最強だ』っておっしゃっていましたが、ワクワク感って大切ですよね。
漁村をバズらせたいということでこれまでいろいろ挑戦して、人も来はじめていますが、ワクワクしてきてますか?」
(浅尾さん)
「ワクワクしてます。ワクワクしてないとアイデアが出て来ないですね。」
「漁村では釣りをしたりして食糧が手に入る、自分で収穫できるというのが人間の本能に訴えるみたいでワクワクできるんです。
例えばわかめ養殖をしているイカダにお客さんを連れて行って、わかめを取ってカップヌードルに入れるとシーフードヌードルになる、それだけのことでもみんなワクワクしてくれるんですね。」
「もし『漁村とは』を一言でいうとしたら『子どもをいち早く大人にし、大人が子どもに戻れる場所』だと思っています。」
2.参加者とゲストのトークセッション
Zoomのチャット機能を使って参加者の方から質問をいただきました。
OTONAMIE副代表の福田さんが紹介してくれました。
(福田さん)
「6次産業化などでめちゃくちゃ忙しいと思いますが、田舎ならではの寄合いとか草刈りはどうされているんですか。」
(浅尾さん)
「人が少なくなっているんで消防団長とか役はいっぱいあります。
でもそれを受けるからこそ説得力があるというか、一生懸命やっているから意見が通るんですね。
とはいえ体は一つなので上手に人に任せたり、手を抜くけど全力っぽい雰囲気を出したりとか(笑)」
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質問を紹介する福田さん
(福田さん)
「いろんなアイデアを実践していますが、次に実践したいことは何ですか。」
(浅尾さん)
「漁村のテーマパーク化。これってすごく難しくて、一人では無理。
浦村のみんなが、自分がミッキーやプーさんみたいなキャラクターになろうと思ってもらわなきゃいけない。」
「牡蠣小屋だって自分の商売なんだけど、そこにみんなが食べに来るというアンテナショップ的な役割も果たしている。
みんなでお客さんを見るんだという意識が無いと、排他的な方向に行ってしまう。」
「漁獲高が下がっているからアクティビティや観光で収入を得るというのが大事なんやけど、無理やり観光業にしてしまってはダメ。
一緒に楽しんでもらう仲間を作るという気持ちがないとテーマパーク化はできない。
でも自分のいる浦村はそういう状態に近くなってきたかな。こういう取組を全国的にしたい。」
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牡蠣の殻を崩しながらしゃべる浅尾さん
(福田さん)
「未来を担う子供たちを活動に巻き込む方法はありますか。」
(浅尾さん)
「無理に子供に後を継がせようとか考えていなくて、大人が楽しんでいれば勝手についてきてくれる。」
「不幸な事故があってはダメだけど、かといって海は危ないから駄目だよとか言って海に近づかせないのではなく、ある程度大人の監視がある中で海を楽しんでもらうと次も遊びに行きたいと言ってくれる。
そうすると今度は釣りをしたいとかどんどん漁業にも近づいてきてくれる。」
(福田さん)
「逆に大人が働く場所はどうやって創っていますか。」
(浅尾さん)
「漁協とか役所の人は人口を増やしたいから漁業フェアとかするけど、いきなり仕事を始めるのは難しい。
でも漁業の現場では人手が足りなくて、アルバイトなどで働きに来てほしいという水産会社は多くて、そこに体験する気持ちで手伝いに来るというのがいいのかな。」
「僕がお勧めするのはギョギョリーマンという働き方で、牡蠣養殖などの手伝いをして給料をもらう。そこでのアルバイトが終わっても次の漁村に行けばまた別のアルバイトができる。」
「いきなり漁業に就業してしまうと、そこ以外の場所に行って別のこともやるというのが漁業権の関係でやりにくいし。
お手伝い制度でいろんなことを体験してみるのがいいのかな。
その中で例えばゲストハウスをしようとか魚の加工をしようとか、ギョギョリーマンから成りあがって実漁家(じつぎょか)になればいい。」
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最後にみんなで集合写真!
3.サロン終了後のアンケート結果、そして…
そのほかここには書ききれないほどの話題で盛り上がったオンラインサロン。
終了後に参加者の皆さんにアンケートを実施したので、その声を(ごく一部ですが)紹介します!
「興味深いお話をありがとうございました!今後の活動もチェックさせていただきます!」
「(浅尾さんの)笑顔がチャーミングだったのと、あのワクワクパワーが人をひきつけるんだと実感しました。」
「今日のイベントで浦村町に遊びに行きたい欲が爆上がりしたので、そのときはお会いできますように、、、!」
また、浅尾さんからもコメントをいただきました。
「とても楽しかったです。リモートに参加して頂いた視聴者の方も前向きな方が多く、画面を通して熱さが伝わり、僕も気持ちよく話せました。
過疎化や高齢化がマイナスな要素だけではなくチャンスにもなる部分をもっと形作りたいと思いました。みんなが持ってるスペックを持ち寄れば様々な”変化”が生まれる。
みんなで変化を楽しみましょう!!」
さらに、オンラインサロン終了後にOTONAMIEの呼びかけで、サロン参加者でSNSのグループを作ることになりました。
浅尾さんの影響で、度会県を盛り上げたい気持ちに火が付いた皆さんの交流が早くも始まっています。
(こちらの動きも、また機会を見つけてお知らせしたいと思っています…)
まだオンラインサロンは始まったばかり。
11/6(金)開催の第2回も参加者募集中ですので、この記事を読んで興味が湧いたそこのアナタ、ぜひ次回はご参加ください!
参加者募集の情報は本ウェブサイトのほかフェイスブックページや県民向けメルマガで随時告知していきます。