みんなで創る度会県!度会県民参加型プロジェクト

大台町度会県×奥伊勢テラス 関係案内プロジェクト

現役地域おこし協力隊に聞く、初めての田舎暮らしのコツ【度会県×奥伊勢テラス連載コラム vol.1】

大台町の観光案内所「奥伊勢テラス」と度会県がコラボし、奥伊勢テラスを、人と人との関係づくりも案内する”関係案内所”にステップアップさせる「度会県×奥伊勢テラス 関係案内プロジェクト」!

プロジェクトの一つとして連載する本コラムでは、実際に大台町で活躍している移住者や、関係人口(※)と言われる人たちのホンネの体験談を聞き出し、紹介していきます。

※特定の地域に継続的に多様な形で関わる人のこと。よく「観光以上移住未満」と例えられたりします。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/sousei/about/kankei/index.html

~目次~
1.田舎暮らしの第一歩といえば、地域おこし協力隊!
2.老舗和菓子店で事業承継を行う協力隊員、保木さん
3.移住後の生活面での現実
4.田舎での仕事は?
5.保木さんに聞く田舎暮らしのコツ

1.田舎暮らしの第一歩といえば、地域おこし協力隊!

「地域おこし協力隊」とは、都市地域から過疎地域等の条件不利地域へ移住して、地域協力活動を行いながら、その地域への定住・定着を図る総務省の取組です。
この制度を、田舎暮らしを始めるきっかけとされる方も多くいらっしゃいます。

※参考リンク(総務省ウェブサイト)
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/c-gyousei/02gyosei08_03000066.html

大台町もこの制度を活用し、地域おこし協力隊を何人も任用してきました。
連載第1回となる今回は、大台町で初めて田舎暮らしをスタートさせたという現役で活躍中の地域おこし協力隊員に、田舎暮らしを始めたきっかけと、暮らし始めてみて分かった田舎暮らしのコツについて伺っていきます。

2.老舗和菓子店で事業承継を行う協力隊員、保木さん

今回お話を伺うのは2019年6月1日付けで大台町の地域おこし協力隊に着任された保木正志(ほきまさし)さんです。
大台町に来る前は約15年間、愛知県名古屋市でオーダー家具の製造、取付工事のお店を経営されていたといいます。

Q.地域おこし協力隊に応募したきっかけを教えてください。

(保木さん)
田舎への移住に憧れ、他の地域も含めて地域おこし協力隊の情報を収集しました。
着任後に自分でミッションを決めていくような募集内容が多い中、事業承継という分かりやすい目標の募集が目にとまりました。

大台町では、過去に和菓子屋が7軒営業していたそうですが、現在は2軒のみに。
今回地域おこし協力隊の勤務地となる和菓子屋も、店主が高齢であり跡継ぎがいないという問題に直面していました。

もともと和菓子が好きだったので、以前の仕事とは畑違いではあるけれどチャレンジしてみようと飛び込みました。

保木さんの赴任先は、創業100年を超える老舗和菓子店「法菓堂(ほうかどう)」です。
法菓堂があるのは、江馬(えま)という地域。かつて「江馬銀座」と呼ばれた商店街の一角にある地域の皆様から愛されている和菓子のお店です。

  • 法菓堂の外観

Q.名古屋時代に、三重県に来たことはありましたか?

(保木さん)
ツーリングが趣味なので、よくバイクで遊びに来ていましたよ。
でも大台町の存在は知らなくて、隣の松阪市の飯南地区、飯高地区や紀北町の紀伊長島地区まで行ったことはあったけれど、素通りしていました。

ツーリングでは、景色が綺麗なところや自然が豊かな場所へ行っていました。
夏は名古屋から行きやすい避暑地として、岐阜や長野。
冬は渥美半島や伊勢志摩の海に行くことが多かったです。

3.移住後の生活面での現実

Q.大台町に住んでみて、いかがですか?

(保木さん)
移住してみての印象は「ほどよい田舎」ですね。
お店はあるから買い物にはそれほど困らない一方、少し足を延ばせば山も川もあり、自然に囲まれています。
水が美味しいのにも感動しました。
湧き水が出る箇所がいくつもあって、森の恵みを感じます。
好きな景色は、雨上がりと星空です。

元々夫婦でアウトドアが趣味なので、妻と一緒に近くの「総門山」へ、多いときは週一でトレッキングに行っています。
すぐ近くには日本三大渓谷の一つ「大杉谷」があります。
登山口までは行ってみたんですが、いつか挑戦して、その美しさを堪能したいです。

  • 絶景の秘境、大杉谷登山道の「シシ渕」

Q.住居はどのように探しましたか?

(保木さん)
町の空き家バンク制度で探しました。
仕事場から近いことを条件に探してみると、ラッキーなことに、条件に当てはまる良さそうな物件が出ていて即決しました。
家は空き家状態になっていると痛むと言いますよね。
その物件は直前まで人が住んでいたそうで、修繕の全く必要ない一軒家でした。
部屋数は多いくらいですが、住み心地は快適です。
近くに大家さんが住んでいますが、ほど良い距離感で接してくれます。

※参考リンク(大台町空き家バンク)
http://www.odaitown.jp/soshiki/honcho/kikaku/tanto/akiya/index.html

Q.移住後、想像していた暮らしとは違ったことや、困ったことはありましたか?

(保木さん)
方言やイントネーションの違いなど、地元の方々の言葉の意味が理解できないときはあります。
法菓堂の店主さんに和菓子作りを教わっている時に、「からくっといて~」と・・・
意味は「混ぜておいて~」ということなんですが(笑)

困ったことといえば、服を買うお店や仕事の材料を仕入れる場所がないということはありますが、ネットでも購入できるし、そんなことくらいです。
良い人が多いので、引っ越してきたばかりの時は警戒されてしまいますが、ある程度接していくと皆さん助けてくれるようになります。

人と人との距離が近いこと、変わったことをすると知れ渡るスピードが速いことには少し驚きます。

生活面や仕事面での悩みや困ったときには、大台町でお店を経営している仲間や、気に掛けてくれる地域の方々に話を聞いてもらっているそうです。

  • 保木さんが通う江馬銀座の粉もんのお店「きまぐれ」店主ご夫妻と

Q.移住して良かったと感じる瞬間は?

(保木さん)
趣味のツーリングで自然の中まですぐに走れるところです。
大台町で好きな場所は、大杉谷登山道手前の「六十尋滝(ろくじゅっぴろたき)」と「赤橋」。
宿泊施設 奥伊勢フォレストピア  奥の「滝頭不動滝」も綺麗です。

大台町の自然の中を走っていると、岩が剝きだしている箇所、岩山が多くあります。
宮川のサイドも岩盤になっている場所があり、大自然の美しさに加え、雄大さや厳しさ、神秘性を感じます。

  • 宮川のダム湖に架かる「赤橋」こと新大杉谷橋の前で(保木さん撮影)

4.田舎での仕事は?

Q.地域おこし協力隊としての仕事はいかがですか。

(保木さん)
どんな仕事でも、基礎をしっかりと身につけないとどこかでつまずくと思うんです。
和菓子の基礎といえば餡子(あんこ)であると思い、餡子を研究することから始めました。

お客様に自信を持っておすすめできる納得のいく餡子には仕上がってきましたが、まだまだ研究中なので、これからも変化させていきます。
皆さんに応援していただけるよう、地域おこし協力隊であることを全面的に推し出してブランドを立ち上げました。

  • 法菓堂で仕事する保木さんご夫妻

お菓子を食べて笑顔を奏でたいという思いを込め「奏笑堂(かなみどう)」と名付けられた新ブランド。
宮川どら焼き、チーズ饅頭、月替わりの季節の和菓子など独自の商品を開発。
中には洋菓子と和菓子をミックスした目新しいお菓子もあり、地域の皆さんが飽きないようにとどんどん新作お菓子をリリースされています。

また、町や観光協会からの紹介でメディアへの露出の機会もあり、地元以外にも、三重県内の中勢地域や伊勢志摩地域から奏笑堂の商品を求めに来るお客様が増えてきているのだとか。
奏笑堂のお菓子は全体を通して甘さ控えめで食べきりサイズ。
何度もリピートしたくなる魔法のお菓子です。

  • 奏笑堂の看板商品「宮川どら焼き」定番の小倉あん 120円

Q.今年の6月に3年目を迎えるのですね。地域おこし協力隊員としての最後の1年はどのように計画されていますか。

(保木さん)
現在は法菓堂の店舗にて「法菓堂」としては月・火・水に、「奏笑堂」としては金・土・日に営業しています。
さらに土日は隣町の大紀町にある道の駅 木つつ木館 でも露天販売しています。

ラスト1年となる6月からは、「奏笑堂」の営業日に木曜日も追加する予定です。
地域おこし協力隊である期間中の売上結果によって、私が大台町に定着し開業するかを慎重に判断しなくてはいけません。
重要な1年になりますが、今までどおり地元密着のお店でありながら、新規のお客様獲得にも励んでいきます。
多くの皆様に喜んでいただける和菓子を考案し製造していき、地域の活性化に繋げていきたいです。

もし今後、大台町から引っ越しをするとしても、また田舎に住みたいか聞いてみると、また田舎を選ぶと即答した保木さん。
「地域おこし協力隊を『田舎暮らしの準備期間』と捉え、田舎でも商売が成り立つのか挑戦してきました。大台町に定着できる道が見えてきたような気がするんですよね」
と明るく将来を見据えます。

5.保木さんに聞く田舎暮らしのコツ

Q.田舎暮らしに興味がある方へ、先輩としてのメッセージをお願いします。

(保木さん)
田舎暮らしはアウトドアが身近に楽しめるので、アウトドアが趣味の方にはぜひおすすめしたいです。自分が積極的に頑張っていれば、周りの人は必ず助けてくれます。

仕事以外にも、プライベートで近所の方に頼まれ事をすることもあります。そんな時は、できるだけ協力しましょう。田舎では、持ちつ持たれつの文化が根強くあります。

理想とは異なるところも出てくるかと思いますが、そんなギャップも含め田舎暮らしを楽しんでほしいです。

地域の方々とうまくコミュニケーションを取り、趣味も仕事も楽しみながら全力で取り組む保木さん。
初めての田舎暮らし。
環境が変わると悩みは尽きないものですが、何かに悩んだらすぐに周りに相談する。
ひとつひとつを一緒に考え、解決に導いてくれる人間関係を築ける環境が田舎にはあるのかもしれません。

(取材・構成 奥伊勢テラス 西口茉実)

  • 法菓堂の店舗前で

法菓堂(ほうかどう)&奏笑堂(かなみどう)

住所 三重県多気郡大台町江馬302-5

法菓堂営業日 月・火・水
奏笑堂営業日(地域おこし協力隊) 金・土・日
定休日 木曜日

営業時間 9:00~17:00
電話番号 050-3740-6040
WEBサイト https://houkadou.odai.or.jp/products/
ネットショップ https://houkado1910.thebase.in/
Facebook https://www.facebook.com/houkadou/
Instagram https://www.instagram.com/hokado1910_kanamido/

 

大台町の関係案内をご希望の方はこちら
奥伊勢テラス(大台町観光協会観光案内所)
住所 三重県多気郡大台町佐原663-1
平日9:00~16:00、土日祝9:00~17:00
電話番号 0598-84-1050
メール info@web-odai.info

一覧に戻る

TOP