みんなで創る度会県!度会県民参加型プロジェクト

尾鷲市読んで応援!みんなで考えよう!連載コラム

第3回「”物”自体が元々持っていた意味は、どんどん深みを増していく」

これからの地域との関わり方について想像するきっかけとなるコラムの連載第3回をお届けします。
引き続き、東京大学の「フィールドスタディ型政策協働プログラム」をきっかけに度会県民となった方に寄稿いただきました。
今回の寄稿者は、大学1年生の18歳(過去最年少)のときに、たった一人で地域に飛び込みました。
都会で生まれ育った彼女が度会県で感じたこと、都会に帰った今も抱き続ける思いを紹介します。

(寄稿者のプロフィールは2020年時点のものです。)

次に伺う時までに、流れ星の流れている間に3回願い事が言えるように練習したい

Q.自己紹介と、度会県との関わりを教えてください。

A.前期教養学部文科三類2年の松島かれんと申します。2019年度、三重県尾鷲市へ伺いました。その時、度会県の存在を知り、以降、イベントなどに参加させていただいています。
 私がお伺いしたのは、尾鷲市三木浦町です。尾鷲駅から車でおよそ30分。道を曲がって、町に着くや否や、透き通った海が広がり、山もすぐ近くに感じられる、自然豊かな開放感に包まれる場所です。

  • 木名峠(きなとうげ)から見た風景。壮大さにうっとりして、時間を忘れてしまいます。

Q.なぜフィールドスタディに参加しようと思ったんですか?
A.私は、神奈川県の自宅を出て一人暮らしをしたことがなく、数日間の旅行という形でしか他県に滞在したことがありませんでした。短期間ではなく1年間、頂いたテーマを軸に、他の地域を深く学ぶという活動に魅力を感じました。
 また、尾鷲市の美しい自然に一目惚れしたことも大きな理由です。

  • 船に乗り、海上から町を見た風景

Q. 尾鷲市三木浦町に来てビックリしたことはありますか。
A.町内を歩いていると三木浦町の皆様が話しかけてくださったり、様々なことを教えてくださったりと、本当にとても優しくしていただいたことに驚きました。
 また、自然の美しさに毎日感激していました。目の前に広がる海に行くと、陸に座っていても、その透明さから様々な生物が見え、魚の種類やなまこ、貝のことなどを毎日教えていただきました。
 星座を教えてもらいながら人生で初めて見た、天の川と流れ星は忘れられません。次に伺う時までに、流れ星の流れている間に3回願い事が言えるように練習しようと思っています。

漁村から考えるパーマカルチャー

Q. フィールドスタディではどのようなテーマに基づいて活動しましたか。また、その活動を通じて知った、度会県民の皆さんに伝えたい尾鷲市三木浦町の素敵なところはなんですか。
A.三木浦町の地域おこし協力隊の方から提案いただいた「漁村から考えるパーマカルチャー」というテーマを軸に活動しました。
 パーマカルチャーとは、永続的な、という意味を持つ「パーマネント」という言葉と「(アグリ)カルチャー」という言葉の二つを組み合わせて作られた言葉で、持続可能な農業や文化を営むという考え方です。
 このテーマのうち、特に「持続可能な文化」という点に着目しました。通常、パーマカルチャーは農業において用いられることが多いのですが、漁村という地域からパーマカルチャーと向き合い、活動しました。
 テーマを心に留め、三木浦町で皆様とお話しする中で、一つのものを大切にすることなどを教えてもらいました。使用しているものが壊れてしまったとき、新しく「買う」のではなく、できる限り修理しながら大切に使われていることや、魚を釣った時には余った分をご近所の方に渡したり、干物にしたりすることなど、日常生活の中に見られる文化を感じました。

  • 夏の終わりに椿の実を取りに行きました。この実から「椿油」が作られます。

Q.三木浦町の皆さんに提案したい、度会県民の力を借りて実現できそうなことはありますか。
A.町内にある三木小学校が2019年3月をもって休校となりました。
 町のシンボルであり、また、多くの人にとって思い入れの深い三木小学校でイベントを行ったり、活用したりできたらいいのではないかと思っています。三木小学校の活用方法のアイデアを度会県民の皆様にご提案いただけたら、嬉しいです。

  • 三木小の校門から(撮影:地域おこし協力隊 三鬼早織さん)

  • かつて、山の中を歩いて通学した生徒もいたそうです。過去の大雨の影響で、多くの倒木や石の崩れなどが生じました。

形のある、見えるものを手元に持っていることの大事さ

Q.離れた地域への関心を持ち続けるために工夫していることはありますか?
A.地域で出会った方々への感謝の気持ちを忘れずに持ち続けるために、地域で撮影した写真や、購入したものなどを大切にして、地域の方や風景など、自分にしかない記憶を思い出すようにしています。
 私自身、三木浦町で撮影した写真や、椿油、本など尾鷲市で購入したものを机の上に置き、毎日眺めながら当時のことを思い出しているのですが、形のある、見えるものを手元に持っていることの大事さを感じています。
 「物」自体が元々持っていた意味は、時間や一人一人の抱く感情、思い出によってどんどん深みを増していくのではないか、ある特定の「物」を大切にすることは、離れている地域へ抱く感情も深めていくのではないかと感じられます。なので、感謝の気持ちを強く抱きながら、離れた地域の「物」も大切に持ち、思いを深めていきたいです。

  • 尾鷲市で購入した椿油を今も自宅に飾っています

Q.最後に、尾鷲市三木浦町の方へのメッセージ、また度会県民へのメッセージをお願いします!
A.三木浦町の皆様、お元気ですか?2019年度は本当にお世話になりました。皆様の温かさに、ずっと胸がいっぱいでした。本当にありがとうございました。
 三木浦町の皆様がとても恋しくなって、お会いできないことに寂しさでいっぱいになる時があります。パソコンのホーム画面を三木浦町の写真にしたり、皆様の写真をもう一度見たりしながら、毎日エネルギーをもらっています。このような社会状況となり、いつ尾鷲市にお伺いできるかわかりませんが、必ずまたお伺いします。
 度会県民の皆様、この度は最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。今後も日々、度会県のことを学び続けていきたいと思っておりますので、イベントなどを通して、皆様にお会いしたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

物や写真を通して思いが深まっていくという、松島さんの経験に基づくエピソードは、度会県民の皆さんにも当てはまるかもしれません。
思いが深まる品物や風景を見つける手助けになれるよう、我々もいろいろな情報を発信していきます。

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