みんなで創る度会県!度会県民参加型プロジェクト

大台町度会県×奥伊勢テラス 関係案内プロジェクト

大台町へ移住してきたフランス人陶芸家!趣味と自然を楽しむライフスタイルとは【度会県×奥伊勢テラス連載コラムvol.3】

大台町の観光案内所「奥伊勢テラス」と度会県がコラボし、奥伊勢テラスを、人と人との関係づくりも案内する”関係案内所”にステップアップさせる「度会県×奥伊勢テラス 関係案内プロジェクト」!
プロジェクトの一つとして連載する本コラムでは、実際に大台町で活躍している移住者や、関係人口(※)と言われる人たちのホンネの体験談を聞き出し、紹介していきます。
※特定の地域に継続的に多様な形で関わる人のこと。よく「観光以上移住未満」と例えられたりします。

~目次~
1.大台町へ移住してきたフランス人とは
2.陶芸家オリビエの誕生
3.侘び寂びの文化、憧れの日本へ
4.カヤックを始めたきっかけ
5.大台町に移住した理由と工房づくり
6.陶芸家オリビエの作風

1.大台町へ移住してきたフランス人とは

2022年5月某日、奥伊勢テラスに「陶芸の工房ができたから見に来て!」と欧米系の外国人男性がやってきました。

彼は、フランス出身のオリビエ・フックスさん。大台町に移住して5年が経つといいます。

清流宮川でのSUPやカヤックが人気の大台町、彼の名前は水上アクティビティーのガイドとして聞いたことがありました。

  • 大台町オリビエさんの工房(窯焼き中の写真)

数日後、完成したばかりだというオリビエさんの工房を見せていただくことに。

そこには奥行き2mはありそうな、レンガで作られた大きな窯がありました。後ろには長~い煙突。

 

工房の中へ招き入れてくれたオリビエさん。

これまでの人生のストーリーを語ってくれました。

  • オリビエ・フックスさん(大台町の工房にて)

2.陶芸家オリビエの誕生

「16歳から3年間、陶芸の学校で専門技術を徹底的に身につけた。同じ形の器を20個作って並べる。先生が一つ一つチェックする。『OK、ダメ、OK、OK、OK、ダメ、…』このテストを繰り返して、全く同じ器を早く作るテクニックを習得したんだ。」

 

少年オリビエは、両親に許可を得て、実家の使わなくなったガレージに初めてお手製の窯を作ってみました。

「初めて作った窯は3回焼いたら壊れちゃった。窯作りも研究し直して、2代目の窯は何度も焼いてきたけど、今もフランスの実家にあるよ。多分まだ使える。」

 

大台町の新しい窯は、失敗の経験も生かされ、綿密な計算のもと完成させたという自信作。

  • 大台町の工房敷地内に窯を自作途中

3.侘び寂びの文化、憧れの日本へ

「ヨーロッパでは、陶器は庶民のもの。貴族は銀やガラスの器を使っていたからね。陶器は土で出来ているからと…。

日本では、庶民も侍も皇族もみんな陶器を使っていた。

僕は、日本の『侘び寂び』の文化に魅力を感じる。他の国にその価値観はないよ!」

日本特有の美意識に惹かれ、オリビエさんは2000年頃、日本に渡ってきました。

 

焼き物のまち常滑で、日本人陶芸家である奥様と出会い結婚。常滑市陶磁器会館すぐそばに「オリーズ・ショップ」を構えました。

数年後、フックス夫妻にお子様が生まれたことで住処が手狭となり、新しい家を探すことに。

当時の常滑市には中部国際空港セントレアができ、まちが活性化するとともに地価は上がり、歴史ある建物は住宅や今日的なお店に変化していきました。

フックス一家はこのタイミングで、オリビエさんの母国・フランスへと住居を移すと決断しました。

  • 陶芸家オリビエの作品の一部

4.カヤックを始めたきっかけ

フランスで新たな生活を始めたフックス一家でしたが、お子様の小学校入学を巡りターニングポイントがやってきます。日本の小学校に通うため、奥様の実家・鈴鹿市へ。

「僕たち一家はフランスと日本、離れ離れになってしまった。しばらくはひとり寂しくて何も出来なかった。そんな時、友人に声をかけてもらいカヤックのスクールへ行ってみることに。体験で心が少しは晴れて、年間2万円で正式に申し込んだよ。日本なら1回のレッスンが2万円かもね。フランスでは国がスポンサーになって、スポーツ振興を行っている。」

 

アルプス山脈近くで育ったオリビエさんは、幼い頃からアウトドア、特に登山が趣味。そこにカヤックが加わったのはこんなきっかけだったんですね。

  • 日本のガイド仲間とカヤックで川下り

5.大台町に移住した理由と工房づくり

その後、オリビエさんも再度日本へ渡ることに。

「鈴鹿市は都会だから、車でも通いやすい距離で、昔の雰囲気を残す趣ある田舎を探した。そして決めたのが大台町。清流宮川があって、カヤック好きには最高のロケーションだよ!

高速道路ICも便利な位置にあるから、鈴鹿まで近い近い。

理想の田舎を見つけられたと思っている。」

 

移住も落ち着き、陶芸工房を構える場所を探し始めました。

そこで活用したのが大台町空き家バンク。

住居から遠すぎず予算内で購入できる空き家は、当初なかなか出てこなかったそうです。

「息子とサイクリングを始めようと、マウンテンバイクを購入したんだ。二人でよくサイクリングに行くルート上に、この物件いいなぁ…立地も建物も敷地も裏山も工房にピッタリ!と漠然と思っていた空き家があった。そしたら、空き家バンクに出たんだよ!でも、価格は予算オーバー。諦めかけていたんだけど、当時の役所の空き家バンク担当職員が交渉してくれた。それでこの場所に決まったんだ!」

 

空き家を改修し、工房に。窯は一から手作り。

「日本語は難しいから、ほしい材料を購入することすら大変だった。窯づくりではレンガの種類が大事だけど、どうやって仕入れたらいいのかで行き詰ってしまった。そこで助けてくれたのが常滑市の陶芸家の友人。全部手配してくれた。

ほとんど自分で作ったけれど、金属の支柱の部分なんかは溶接の道具がないから大台町の職人さんにお願いした。」

  • 窯製作途中、裏山から撮影

6.陶芸家オリビエの作風

焼き物は一般的に、粘土で形成し乾かした後、水の浸透を防ぎ強化するため、光沢の出る「釉薬」をかけて焼かれます。

オリビエさんの作品は、釉薬を使わない日本の「焼き締め」という作り方。

窯の中で1200℃を越える高温でしっかり焼き上げます。

「焼く時は妻が手伝ってくれる。3日間エンドレスで薪をくべ続けるから、ひとりでは出来ないんだよ。夜12時までが妻のシフト。そのあと朝までが僕の番。」

  • 夜、薪をくべている妻・ミホさん

土の表情の力強さ。土の中の成分が窯の火で溶け出し表面に現れる美しさ。

オリビエさんの生み出す作品は、侘び寂びを大切にした古来よりの日本らしさあふれるもの、スカルやウィッチなど、ヨーロッパの文化を取り入れたもの。

繊細さ、温かさ、強さ、ユーモアと多種多様ながら全てが彼の内面を象徴しているように感じます。

「青や緑のところは鉄が溶け出して、還元の作用で色づいているんだよ。」

  • 陶芸家オリビエの作品

7.今後の夢

「陶芸教室を開きたい。教室には新たなワークショップスペースが必要かもしれない。

コロナで2年以上フランスに帰ることもできていなかったから、できることなら一度実家に遊びに行って、また帰ってきてから…

秋頃を目指して、様々なお客さんを受け入れられたらいいな。

作品の販売もこれから。早くほしいと思ってくれる方は、奥伊勢テラスに連絡してみてね。」

 

趣味のアウトドアを存分に楽しみ、時にはガイドとして働く。

芸術家として、日本の田舎で作品を生み出し続ける。

新たな夢に向かって走り続ける彼のように、輝くような毎日を過ごしたい。

オリビエ・フックスさん同様、この町があなたの未来の舞台になる可能性もあるかもしれませんよ!

 

(取材・構成 奥伊勢テラス 西口茉実)

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奥伊勢テラス(大台町観光協会観光案内所)
住所 三重県多気郡大台町佐原663-1
平日9:00~16:00、土日祝9:00~17:00
電話番号 0598-84-1050
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