みんなで創る度会県!度会県民参加型プロジェクト

尾鷲市その他プロジェクト

三木浦のこれから(1)

尾鷲市三木浦町にあるテラスカフェ「織屋」に人が集まってきた。
時刻は19時。目の前に広がる海が静かに闇に包まれつつある。

三木浦にずっと暮らしている人。
三木浦に移住してきた人。
三木浦には住んでいないけど関心のある人。
17名ほどの人が続々と集まってきた。
すっかり馴染みの顔もあれば、初対面のあいさつを交わす人もいる。

集落の過疎化が深刻な三木浦町では、40代以下の人が少なく、町の行事を存続していくにあたり、これまで以上に若手が中心となって動く必要性が出てきている。
「三木浦交流会」。
そう名付けられた今日の集まりは、町内外のメンバーで「三木浦のこれから」について話し合いながら交流していこうと企画された。
自分たちのまちのために、自分たちで、あるいは地域外の人の力を借りながらどうにかしようと考える人たちが、どんな話し合いを重ねていくのか。興味があって交流会に参加してみた。

まずは三木浦の現状について。
町内会長:地域活性化を目的に行っていた「三木浦こいやぁ」も10年近くやってきたけど、担い手の確保が難しくて数年前に解散した。
青年会長:青年会としても、お盆に子どもたちや帰省してきた人に喜んでもらうため出店をしたりしているが、仕事と重なって参加できない人もいる。運営の人手が足りない。
お酒を飲みながらではあるが、話す内容は切実だ。

参加者からは、「出店を自前でやるとそこにスタッフが取られてしまうので、例えばキッチンカーを外から呼んでくるとかもありでは。」といった意見も出されたが、一方で、「それでは三木浦の良さが発信できないのでは。」といった意見も。なかなか難しい。

話題は、11月に開催される秋の大祭にも及ぶ。
三木浦の年間行事の中で最も重要なイベントだ。
前夜祭では、伊勢音頭を流しながら提灯行列が町内を回り、神事のあと、本殿に供えてあった御幣を上半身裸の男たちが取り合う“御幣もみ”を行う。御幣を取った男は、船または神棚に飾り、海上安全、大漁を祈願する。

町内会長:多くの人に参加してもらいたいが、正直、誰でもいいというわけではない。ルールを知っている人でないと。お酒も入っているし、怪我をする恐れもある。取った御幣を飾る場所がないといけない。三木浦出身の人ならOK。三木浦の誰かの紹介で、その人が責任を取れる人なら構わない。

漁師たちの信仰の厚い祭りであると同時に、危険性もはらむことから、とにかく参加者を募集したらいいという単純なものではないようだ。

青年会長:もちろん見学は誰でも歓迎だし、神輿を担ぐのをお手伝いしてもらうのも大丈夫。ただ、“御幣もみ”は特殊。誰でもいいというわけにはいかない。

交流会の様子は、オンラインでも配信され、三木浦出身で大阪在住の人など7~8名が視聴していた。
オンライン視聴者からは、「ときどき大阪で“三木浦会”を開催しています。なかなか帰れないけど郷土愛は持っています。」といったコメントが寄せられた。
集まった人からは歓声があがった。

会場ではさまざまな意見が出た。
積極的に地域外の人を呼び込むことを考えるべきではないかという意見の一方で・・・。

参加者:たぶん神輿の担ぎ手を募集したら何人も来る。でも、誰でもいいとなったら、伝統の祭りが台無しになってしまう可能性もある。
参加者:人が集まればいいってものじゃないから、情報の発信にも気を付けないと。
参加者:単に海に近いところという理由でいきなり移住してきた人とトラブルになることもある。

一見すると閉鎖的な意見に聞こえるかもしれないが、みんなに共通する思いはある。
“やっぱり三木浦が好きな人に来てもらいたい。”

ここにいる全員が三木浦のことが好き。
だからこそ、大好きな三木浦を守りたいし、盛り上げたい。
だからこそ、三木浦を好きな人に来てもらいたい。
その手段については、みんなで知恵を絞ればいい。

参加者:まちが盛り上がっているのを見て、出身者が戻ってくるっていうのが一番いいな。

そんな意見に大きくうなずいた。

今日、何か答えが出るわけではないけど、こうやって人が集まり、知恵が集まれば、何かが起こるかもしれない。
そんな三木浦の人たちの取組をこれからも追いかけていきたい。

※「三木浦の歩き方」公式ホームページ
https://mikiura-owase.jp/index.html

一覧に戻る

TOP